今日読み終わった本。
・告白/町田康
読み終わった今わたしの脳裏にはポルノさんの『Twilight, トワイライト』が流れてます。地球にある全ては一つだと〜のくだり。失望のその底。
本書は文章の力(というか作家の文章表現力)にゲラゲラ笑わされ物語の力に深く絶望させられるという体験ができる稀有な一冊だと思ってます。あの時私の脳裏に真っ先に過ったのは暴走という一言だったよ。でもそれは所詮衣食住の心配もなく安寧の中で物語として熊太郎に出会った私の印象でしかなくてそんなもん外野でわあわあ言う村人と全然大差ないと思うのも確か。ほんとにこんだけ笑える文章で、人と人が関わる中で「伝わらない」事に端を発する辛さと失望を活写できるって何なんだろうな。裏切られる事も失望する事も苦しくて仕方ない。理解できる、とは安直には言えないけど、でもこういう物語を介して絶望の淵を覗き込む体験をする事が後々現実に立ち向かう気力へと活きていくもんじゃないだろうか。
そんで現実に立ち向かう繋がりという程のものでもないんですけど、昨日の昼間にツイッター見て不安ばかり募る中でスマホを置いてこの本に没頭する事でだいぶ救われたみたいなとこあります。ありがたいこと。
日曜日。一夜明けてこちらは晴れました。ご無事でしょうか。
起きてからは昨日ドアポストやら換気扇やらに貼ったビニールを全部剥がして窓に貼ったものも剥がしていろいろ片付けて洗濯して、それがひととおり終わってからはずっと本を読んでました。上に書いたマーチダ氏の。何度目であっても凄い一冊。
そんなふうにびっくりするぐらいにいつも通りの日曜日でした。昨日の台風を体験した事で、私自身は一昨日までとは違う自分だという思いがあるのに私の半径10メートル以内ぐらいはいつも通りの日曜日で真ん中にいる私だけがそうじゃないというこの感じ。いつか中和されるのだろうか。覚えておきたいけど。
昨日の朝、結局養生テープが手に入らなかったから手持ちのマステの中から幅が広いやつを駆使して段ボールやらを貼っつけた図です。ガムテープは剥がす時に心配だったので、飛来物でガラスが割れて破片が飛び散る事を防ぐのならこんな感じで大丈夫かなって踏んで。考えてみれば自宅の窓を補強するという体験も人生初のことだった。次なんて無いのが一番だけど、でももしそういう機会が来てしまったら次はもっとうまくやれると思う。記憶のための記録です。