まぎれもなく浮遊

好きなものも出来ることも多くないです。別名義のnote: https://note.com/toiro_k

ルーブゴールドバーグマシーン

憤りに身を任せてスマホ触ってたら1時間経ってた…。ちょっと落ち着こうと思ってこれ書いてる。いったん落ち着こう。うん。報道各社の良心に期待する。

春分の日の木曜日。晴れ。昨日ぐらいに天気予報を見た時は雨予報だったから、それならもうおうち大好き人間の休日を過ごすんや~って昨日の夜に本屋さん寄ってスーパーにも寄って食材とおやつ買って帰ってきておいたのに見事に晴れ。真昼に部屋の窓から見た青すぎる空に千切れ飛ぶ白い雲がきれいだったし庭に生えてる椿の木の葉が陽を受けて風に揺れてキラキラしていた。そうなのだ強風。なにこれ。春一番? 風が強すぎてベランダに置いてあるアンテナが倒れたからとりあえず起こさずにそのままにしてある。日曜の夜までに直して固定しなければ。

ここ最近おうち大好き人間の休日を過ごした日の晩ごはんは細かく切った野菜をたくさん入れたミネストローネをフライパンで作ってから、そこにごはんをほんのちょっとだけ投入して強火で煮詰めて水分飛ばしたトマトリゾット?おじや?と呼べるのかも謎だけれどなんかそんなようなものを作って食べてます。今日も作った。カレーとかシチューとか、あと豆乳でクリームソースっぽいものを作る時にも言えるけどフライパンで作ると煮詰めるのが短時間で済んで楽。室内に盛大に響き渡るぐつぐつ煮込まれる音の中で焦げないように無心にスパチュラで底から混ぜる時間がわりと好き。集中。そんで憧れの人に倣ってひとりの時は18時までに晩ごはんを食べ終えるように気をつけていて今日は出来上がったところで17時半だったんですけど、部屋の中はそこはかとなく暗いのに外が明るいから電気つけようかちょっと悩みました。春分の日だからちょうど昼の長さと夜の長さが同じなんでしたっけ。結局食べ終わるまでつけずにいたけど、室内の方が暗いから窓枠が額縁みたいな役割を果たして外の眺めがいつもより鮮やかに見えるのがなんか良かったです。

 


今日読んだ本とか漫画とか。

・成熟脳: 脳の本番は56歳から始まる/黒川伊保子

昨日のお昼休みに読み終わったけど感想が書けなかったやつ。80年代から人工知能の研究に携わってきた方なんだって。浅瀬とはいえ脳科学の領域に触れてみる、それがそのまま理屈では説明のつかない神秘に触れる事に繋がっていくのが本当に面白いと思う。祈りの姿がもたらす凪の効果とか、引き寄せや巡り合わせを侮れなくなる事とか。あと寿命を別にして脳そのものは112歳までは進化が約束されているという話題(しかもその先はまだ研究が及んでない未知の領域)にもわくわくする。歳を重ねる事で視えてくるもの。いくつになっても大人になるのはわくわくすること。

 


メランコリア 上/道満晴明

メランコリア 下/道満晴明

合わせて全26話、Aに始まりZで終わる掌編漫画。1年前に発売された上巻単体だとおもちゃ箱ひっくり返したような賑やかな散漫さと緩やかな繋がりと少しの哀愁を感じる一冊だったし率直に言って失速を感じもした。でも下巻が加わった事でそれらの全てが計算のもとに仕込まれたギミックの一部だったのだと思い知らされたし、上巻から続けて下巻を読む事は道満さんが拵えた見事なピタゴラスイッチを目撃する事でもあってもう読み終わってからは拍手喝采でした。そうピタゴラスイッチ、だけど一個人のささやかな恋心や勇気といった要素が介入する事で運命は変わる。面白かった。最高傑作だと思ってたニッケルオデオンを超えたし出来る事なら記憶を失ってもう一度最初から読んでこの歓びを味わいたいぐらい。そしてサトミとモーアルの件だけ自分の中であやふやな時系列を補完したいからもうちょい読み込まなければ。

 


・往復書簡 無目的な思索の応答/又吉直樹・武田砂鉄

昨日は本当はメランコリア下巻と黒川伊保子さんの著作を買うつもりだったけど、たまたま見かけて私得なお二人!と大喜びでこっちにしました。これ以上ないぐらい見事な装幀(お名前の色からも顕著)。読書メーターの感想一番乗りで嬉しかったな。こういう一冊に期待するのは美しいものを見たという感銘が瞼の裏に焼き付くか、発想の燦めきが心に刺さること。どちらも痛みを伴わず余韻もそのうち日常に埋没するけれど、得た言葉は決して消えず必要な時に引き出され前に進む力をくれる。そういうものだよ。