まぎれもなく浮遊

好きなものも出来ることも多くないです。別名義のnote: https://note.com/toiro_k

赤とか黒とか緑とか

金曜日。あの雨予報や台風情報は何だったの??と拍子抜けレベルの晴れ。おでかけの時に携えた傘の出番なし。持ってない時に降られるよりは全然マシなのでいいんですけど。

今日は有休消化でお休みを取得していたので、前々から気になってた六本木の『文喫』という場所に行ってきました。入場料を支払ってから入る本屋さん。平日とはいえ混み具合の予想が全くつかなかったから開店直後ぐらいに行こうって決めてて、そしたら入場時に借りるバッジの数字が2番でした。多分本日2人目の来店という事だと思う(入場してから店内巡ってたら既に席について本読んでる人がひとりいらっしゃった)。そのあとお昼前ぐらいまでは人もいなくて、なんとなく選んだ1人掛けソファの座り心地も最高だしで持って行った本をぐぐっと集中して読む時間を過ごせました。そのあとお昼ごはんに食べた豚バラ煮込みのポークカレーも美味しかった。カレー食べ終わった辺りからいきなり人が増えてきたので本を読むのをやめて店内を巡ってどんな本があるのか眺めたんですが、選書や並べ方の基準がなかなかとんがってて見ているだけでも楽しかったです。絵本の並べ方がセレンディピティ促す感じでなるほどなと思った。目的なく赴いて新しい本と出会うことに向いている場所だと思う。絶対また行く。スカイツリーよりお手頃価格だよ(どんな比較や)。

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バージョンアップの日でもあったのです本日。なのでケーキ食べようと思って買いに行ったら桃まるごと1個使用っていう売り文句に惹かれてしまった。美味しかった。ポルノさんから届くあれも確認して幸せな気持ちでいます。えへへ。

 


今日読んだいろいろ。

・TOKYO NOBODY―中野正貴写真集/中野正貴

読書メーターを始めた当初に知って「読みたい本」として登録して長いこと放置していた一冊。あれから8年半。香川に住んでた当時のわたしにとってトーキョーは泊まりがけで遊びに出かける憧れの大都会でした。本書を手に取る時にまさかトーキョーに住むことになってるとは想像もしてなかったけど、車の運転をしないおかげで首都高に全く馴染みのないまま今に至ってるが故にやっぱり本書の写真を眺めてみても馴染み深い自分の街というよりはまだ憧れを抱いた大都会という印象で相対してしまう。そういう気持ちで眺めるから人間の姿が皆無という状態もなんとなく他人事で受け止めてる感じがあります。面白かった。以前写真雑誌だったかを読んでた時に本書の裏話を拝読した事があるんですけど、人がいなくなる瞬間を狙ってお正月の早朝などに撮り溜めたらしくて。感じる畏怖はその執念に対してのもの、と考えるのが正確だと思う。

 


・新宿歌舞伎町俳句一家「屍派」 アウトロー俳句

アンソロジー形式で沢山の人が参加しているからなのか句以外の文章の頁が結構あるんですけど、作者紹介はともかく主催者の言葉にちょっと頁数割きすぎなんじゃないですかね。読んでて興味深い先鋭的な思考や表現に出会えるならまだしも。俳句が読みたくて手に取ったんだけどな、って興を削がれはしたけどそれはそれとして俳句(というか川柳)は面白いものが多かったです。アウトサイダーならではの眼差しと瞬間の結晶。見過ごさず留め作品へと昇華させる才能に羨望のまなざし。

 


・二番目の悪者/林木林・庄野ナホコ

一番は明確。じゃあ二番目は? 法で裁かれる事も告発され罪を償わされる事も無いけれど、みんなの未来を決定的に潰えさせてしまう二番目の悪者。こないだ読んだ日本製紙の災害復興記録の一冊でも、正直者が馬鹿を見る無法地帯であってはいけないだろうがと強い憤りを感じた事が脳裏に過る。流されないこと、自分の目で確かめること。