まぎれもなく浮遊

好きなものも出来ることも多くないです。別名義のnote: https://note.com/toiro_k

触れないことが愛情

わたしにとっては。

 


今日読んだ本とか漫画とか。

・乙女の本棚シリーズ 猫町萩原朔太郎・しきみ

萩原朔太郎読んだことないから予習したいと言ったら絵本のシリーズで出ていたはずだと教えてもらって先週日曜に買ってたやつです。そんな感じで初読み。なんだかすごく朗読が似合いそうな物語。身もふたもない言い方をすれば薬物中毒者が見た幻覚なのだろうけど(語り手もそう述べしかし否定している)、それよりもこの目眩く物語が生まれ得た事へと想いを馳せるほうがたぶん建設的。世界が反転する感覚ってなんかこう、絶対知ってるはずのものをど忘れした時に感じる焦燥に似てるんじゃないかなと想像します。文章だけでも面白かったし、作品に寄り添うのでなく挑むかのような解釈で描かれたしきみ氏の挿絵の艶やかさも良きでした。ただこれ文章と絵は別々に眺めるほうが良いかもしれないね。しきみ氏は本作以外にも江戸川乱歩押絵と旅する男』でも挿絵を担当されているそうで、そちらはどんなふうに描かれているのかちょっと気になる。


・うと そうそう/森泉岳土

タイトルは烏兎怱怱、月日の経つのが速いことを指す言葉。言葉として形に残さなければかき消えてしまいかねない淡い心情、を描く8頁の掌編漫画15篇収録の本作にそんなタイトルをつけるセンスに拍手。本作はベタもスクリーントーンも無しで8Bの鉛筆で描いたそうで、線の太さをほぼ一定にしつつ描写を極力削ぎ落としているぶん余白に何を視るかが重要になる。詩のような最小限のモノローグも相まって、むやみに飾り立てないからこそ誰の心にも思い当たるものを呼び起こせる力を持っているのだと思う。装幀も凝ってて面白いです。普通の帯をつけるかわりに、推薦文と抜粋シーンが載ったシール貼ってあるの。

 


日曜日。曇りのち晴れ。昨日の朝早くに目が覚めたことが影響しているのか、なんだかずっと眠たい一日でした。おうち大好き人間の休日なので良いんだけども。今夜こそ関ジャムを観ようと思っていたのに現在19時半の時点でとてもねむい。でもだからって今眠ったらとんでもない時間に目が覚めたりするだろうからもうちょい踏ん張って起きてる。眠い。お昼ごはんにフレンチトーストをすんごい久々に作りました。食パン2枚分のうち最初に浸した方は卵液をたっぷり含んで甘くふかふか、後に浸した方は卵液が足りなくなったうえに最初に浸した方に砂糖の甘味を奪われてしまったのかバターの味が強めの甘くない仕上がりになったのが想定外だったんですけど、後に焼いた甘くない方をたまたま先に食べたのでメインからのおやつみたいな流れになったのがちょうど良かった。たまごと豆乳の最適な分量をいまだに掴みかねてるのでそのうち自分なりの最適解にたどり着きたいところです。あと関係ないけど、ツイッターの話題のニュースで目にしただけなんですけど。何の情報もなくただ待つしかないまま一日が過ぎる苦しさは見ていて胸が痛いです。自分に置き換えたら生きた心地がしないだろうというのは簡単に想像できる。

 


昨日は表参道で電車を降りて本屋さんに寄ってから渋谷方面へとたくさん歩きました。ちっちゃな公園に咲いてた桜がとても綺麗だった。遠目からだとしっかり満開でふわふわな見た目だけれど、近付くと葉の淡い緑が視界に入ってそれがまた良かったんだ。開花時期がまちまちだからこの時期は出かける度に目が楽しい。

最近贔屓にしているブックカフェで初めて食べた珈琲プリンが美味しかったのだけど、夕方からやたら眠くてたまらなくなったのはこの珈琲プリンに入ってるカルーアリキュールが影響してたのかな。もしかして。そこに加えてたくさん歩いたのと早起きしてたのとが重なったとか。お子様か、って思うけれど可能性ないとは言えないよね。滑らかな舌触りがしあわせの味でした珈琲プリン。そんで読書メーターには登録してないけどここでボブ・ディラン『はじまりの日』と宮沢賢治『ガドルフの百合』を読みました。はじまりの日のほうのある一文に泣きそうになったの、ポルノさんの『むかいあわせ』の歌詞に対する感銘とすごく似てると思った。見送るひとの優しさ。

夜ごはんは人生初ロイヤルホストでした。わたし行ったことない!行ってみたい!という事で。2週続けて念願叶ってるのすごいしあと単純にお肉も野菜もとても美味しくて満ち足りた気持ちになれました。池袋にも出来ればいいのに。

そんな感じで眠かったことを除けば朝から晩まで幸せな一日でした。今日も眠いけどでもフレンチトースト美味しくできたし。そういうたくさんのささやかな幸せの余韻をヒーローが風になびかせるマントのごとく纏って平日を生き抜いてゆきたい所存。呼べば行くよ。